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キャリア・チェンジ~生涯雇用は自分で造る~

2013年04月19日

 キャリア・チェンジという言葉を聞いたことがあるだろうか。学校法人メイ・ウシヤマ 理事長の山中祥弘理事長が造った言葉である。
 仕事を始めて10年、20年を経て、そろそろほかの職や組織で仕事をしたいと考える人は少なくない。あるいは、不運なことに職場を失ってしまう人もいるだろう。だが、職を変えるためには、技術や知識を身に着けて、新たな仕事に挑むための準備期間が必要である。そのための教育期間を含めた転職プロセスをキャリア・チェンジと呼ぶのだ。山中氏は、学校法人メイ・ウシヤマの専門学校や大学院大学は、そのようなビジョンのもとに運営しているのだという。

 私は、キャリア・チェンジというコンセプトに希望や夢を感じた。キャリア・チェンジは、30代、40代のみならず、シニア世代においても十分に通用するコンセプトであり、「働くこと」と「成長」は生涯可能だと伝えているように思えたからだ。

 そして、この考え方は、恩師ドラッカーが述べていた「流動する知識ワーカー」像とぴったりと一致するものだ。ドラッカーによれば、高学歴化が進んだ知識社会では雇用の流動性が高まる。なぜならば、高等教育を受けた人間は、組織よりも自らの知識や技術に対して忠誠心を感じるもので、したがって、「より面白い仕事」「より自分を成長させてくれる」仕事を見出せば、容易に職場を移ってゆくからだ。そのような流動する知識ワーカーにとって、職場を変えることは本質的なことではなく、技術や知識を刷新して新たなライフテーマとして仕事を変えることがより重要である。あるいは、ライフテーマを遂行するために、新たな技術や知識が必要であると考え、教育を受け直し、これに合わせて仕事の質も向上させてゆく人もいるだろう。
 キャリア・チェンジとは、まさに生涯かけて自らをバージョンアップさせることを意味するのではないだろうか。その意味で、21世紀の生涯雇用とは、20世紀のような組織が生涯雇用することではなく、自分の一生の働き方を自らでデザインし、創り上げてゆくものなのではないだろうか。

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