ブログ

世界の市民社会潮流と非営利のギャップ

2012年09月03日

数年前より、NPOが市民参加の受け皿になっていないことを言い続けてきた。しかし、それは日本に限る問題ではないようだ。アラブの春、NYでおきた1%運動、いずれも既存のNPOとはあまり関係のないところで動いている。CIVICUSという国際的なNGO、NPOの連合体の事務局長をつとめる今田氏は、最近の課題として、大きなうねりとなりつつある市民の動きが、NPO、NGOとは別のところで生まれている点であると述べていた。

日本の場合は、行政ばかりに目を向けてきたことが、市民とのかい離の大きな要因だと思ってきたが、むしろ、もっと大きくて根本的な市民社会のトレンドに起因するのではないだろうか。言論NPOの工藤代表の話から、ひも解くと、一流の技能をもった知識ワーカーが社会貢献活動に積極的に参加しはじめていることが大きな原因かもしれない。ソーシャルメディア、マーケティング、人事管理など、第一線で磨いている現役が、参加している。現に、そのようなところは、大きく飛躍している。しかも、彼らはどこかのNPOを探すというよりも、自分たちでグループ化してしまうことが少なくない。

それは、もしかすると新陳代謝、新旧交代の兆候なのでは、と思う。そして、研究者や学者も、下手をすると新しい潮流から取り残されているかもしれない。

ページTOPへ▲