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社会課題の消費

2016年12月29日

「社会課題の消費とは」
一昨日、社会学者を目指す若手研究者から、興味深いフレーズを聞いた。
「社会課題の消費」というフレーズだ。
それが意図するのは、貧困や虐待、児童労働や環境破壊などの社会課題を掲げてメディアや社会の注目や寄付を集めるが、課題解決につながっていない行為のことをさしている。SNSやインターネットを利用することによって、「社会課題の消費」はますます加速される可能性がある。

なかなか手厳しい指摘である。ほとんどの社会課題は難題であり、善意で努力していてもなかなか解決につながらない人々を否定するのかという意見もあるだろう。
しかし、それは彼が意図するところではない。この指摘が本質を突いていると思うのは、その発信元が、政府であれ、あるいはNGOやNPOであれ、私たちがそれに安易に踊らされていることあると思うからだ。

「大事なのは課題の解決」
様々な社会課題に関心を持つことは大事なことだ。だが、もっと大事なのは、その課題が解決されたのか、あるいは解決されうるのかという点だ。その視点が欠けると、いたずらに問題を広げたり、不安を掻き立ててしまう可能性さえある。
ドラッカーが「非営利組織は善意だけでは十分ではない。成果を上げ、この世に変化をもたらすために存在している」と述べた所以である。

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