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消費税増税延期と財政出動 ~先送りされた若い世代の意見を問うべき~

2016年06月06日

消費税増税の先送りと財政出動がほぼ同時に決まった。

平成28年度の予算に着目すれば、一般会計の歳入総額は96.7兆円だ。そのうちの公債金収入は34.4兆円だ。つまり、収入の35.6%を新たな借金(国債)で賄っている現状だ。ちなみに、歳出総額のうち、23.6兆円は国債費だ。つまり、歳出の24.4%は借金返済に充当されることになる。新たに借金をして、借金返済に充当するという逼迫した「火の車状態」だ。

 財政出動については、財源が見当たらない中、新たに国債発行をすることになるだろう。そして、消費税増税を先送りした。つまり、深刻な火の車状態にもかかわらず、支出を増やして、予定していた収入を減らしたことになる。それでも2020年には基礎的財政収支を黒字化できると政府は述べているが、その道筋が見えない。

 また、基礎的財政収支黒字化の文言に隠れてさほど議論されていないが、たとえ2020年に黒字化できたとしても、膨大な債務が残っている事実を直視すべきだ。つまり、黒字化は財政健全化に向けて小さな一歩を踏み出したに過ぎないのだ。債務残高は838兆円で、税収の15年分にあたる。仮に黒字化しても、借金返済には相当な時間がかかる。

 今回の決定は、これらの全ての問題を次世代にさらに先送りしたことになる。この問題こそ、先送りされその負担を担う若い世代の意見を尊重すべきで、18歳選挙権が行使される選挙で民意を問うべきではないか。

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