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NPO研究は学問ではない?

2012年08月16日

日本NPO学会会長に就任してから早くも5か月が経った。この立場から、NPO研究をみると、やはり見える景色が異なる。NPO研究が学問として認知されていないことがよくわかる。しかし、最も厳しいのは、NPO研究の水準が、学問として成立するまでに至っていないということだろう。

所属機関の仕事がらか、年齢のためか、大学全体を見渡し評価を行ったり、また様々な分野の研究者の審査を行う機会が増えてきた。こうした作業の中でも、NPOや市民社会に関する研究のポジションをどうしても確認したくなる。

残念ながら、水準が低く、比較のレベルにまで徹していない。そもそも、それを研究しようとする研究者や大学も非常に少ない。学会ができて15年だが、この状態から脱出できていない。学会発足時に記念講演で来日したレスタ-・サラモンが、「水準をあげるためには、別の分野から優秀な研究者を呼んでくる」と述べていたが、そのとおりだと思う。道のりはなかなか険しそうだ。

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