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「消費税減税」VS「給付金」二択議論の危うさ

2025年06月22日

「消費税減税」vs「給付金」と、いつの間にか、どちらかを選択しなければならないような議論になっている。その前提そのものを疑った方がよいと考える。理由は以下の3点だ。

 第1に財源問題だ。
 消費税減税、給付金のいずれも、数兆円の財源が必要になり、財政に大規模な影響をもたらす。
そもそも当初予算段階で、支出を税収で賄いきれず約25%を国債で賄っている。たとえ、税収上振れがあったとしても、予算の不足分をカバーできるわけではない。ならば国債を発行すればよいという意見もあるが、国債は償還時期が来たら必ず返さねばならない。10年後、20年後に子どもたちが、大人になった時に財政をより圧迫することになる。

 第2に、消費税減税も給付金も臨時対策であるという点だ。
足りないから補填するというのは一時的な対症療法で、すぐにまた不足が生じる。政府は、コロナ感染症対策以降、10万円一律の特別定額給付金と続く9種類の給付金、持続化給付金、ゼロゼロ融資など、数多の臨時対策を講じてきた。しかし、一時的な対策はすぐに終了が訪れ、次にどうなるのか再び先が見えなくなる。国民の不安が解消されない理由はここにあるのではないか。

 第3に、これまでの対策について明確な効果検証や説明がないことだ。
コロナ対策で講じられた大規模な補助金、交付金、貸付は、コロナ収束後も物価高騰対策として引き継がれている。しかし、事後検証は満足に行われておらず、効果は不明である。その典型例が、R2年-R4年に配られた9種類に及ぶ給付金(総額4.47兆円)だ。これらは途中から物価高騰対策となっている。しかし、それらがどのような世帯層に、どの位の金額が渡っていたのかのデータを政府は持っていなかった。そのため会計検査院が国勢調査をもとに推計を出している。これは、政府としては最低限抑えていなければならないデータだろう。しかし、それだけでは十分とは言えない。加えて必要なのは、家計に及ぼす影響や消費動向などで、政府がめざす物価高騰対策になっていたのかどうかの検証だ。この検証が無いために、これまで行われていた物価高騰対策は横に置かれ、あたかも消費税減税と給付金の選択肢しかないような誤解や、根拠の薄いふわふわした議論に陥っている。

 政治も、メディアもこれまで行われている物価高騰対策を忘れ「消費税減税と給付金のどちらが良いのか?」という議論に一挙に突き進んみ、あたかもそれしか選択肢が無いような印象さえ与えている。それは、冷静な視点を奪い、人々を煽ることにならないか。情報を発信する側も、受け取る側にも、今こそ落ち着いた議論が必要である。

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