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橋田寿賀子氏が語った安楽死への想い

2017年09月27日

昨晩、帰宅後テレビをつけると、橋田寿賀子さんが安楽死について語っていた。NHKのクローズアップ現代プラスという番組での対談だった。

橋田氏から、出る、言葉のいくつかは、胸に刺さるものだった。というのも、私自身も考えたことがあるテーマだったからだ。たとえば、「人に迷惑をかけたくない」という言葉だ。亡き父が、「年取って、身体が不自由になり、人に迷惑をかけながら、生きるのはつらいな」と語っていたことがあった。私自身も50代になり、その言葉に共感するようになった。

さらに、これは本音を真に正直に語っていると感じたのは、彼女が「私は天涯孤独だから」と述べた時だった。「もし、子どもや家族がいれば、石にしがみついてでも生きようとするかもしれない」という趣旨のことも、同時に語っていた。橋田氏の周囲には著名な友人や知人がいらっしゃるだろうが、それではどうしようもない、深い孤独を感じているのだと思った。

その孤独は、私のような者があれこれ言えるものではない、深いものだと思う。しかし、橋田氏は、90歳を超え、仕事が減っていったこと、そこで寂しさを感じていたことをストレートに語っていた。橋田氏にとって、仕事とは、収入の糧というよりも、自らの想いを表現する場であり、そして、人々と議論する場であり、そして何よりも社会とつながり、自らの役割を再確認する大事な場ではないのか。

最近、「人生100年」が政策の場でも話題になっており、今年の概算要求のキイワードにもなっている。制度による後押しや、ノウハウ本のようなものも注目されている。しかし、橋田氏が述べる心の問題は、それだけでは対応しうるものでないことを忘れてはならない。

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