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全体を俯瞰する視点 ~東日本大震災調査~

2012年11月11日

11月10日午東日本大震災における民間支援の役割に関する研究会が行われた。日本NPO学会主催の研究会である。今回は市民団体の事例というよりも、政府や自衛隊、自治体などを含む全体像を知ることを中心テーマにした。4時間におよぶ研究会で、東北大の福本先生は被災3県に基礎自治体経由で避難所にわたった物資支援量を県別、基礎自治体別に見積もっていた。東大の目黒、沼田両先生は被災直後からのテレビ、新聞報道を言語データベース化し、減災・防災の視点から分析。いずれにも共通しているのは全体を俯瞰しようとすること。聴衆はNPO関係者が多かったのだが、「現場ではNPOはもっと活躍していた。その説明がこの調査にはない!」という意見がいくつか出された。その意見からは「何でこんなに頑張っているNPOの活動が調査結果に記載されないのか」という不満がみえてとれた。しかし、全体量からすると1%にも満たない可能性がある。現場で見えることも、全体から捉えると異なってみえる。締めくくりに目黒教授が、防災関連のNPOが頑張っているが、全体を捉える視点が不十分のために、力を発揮しきれていないのではないかとの指摘があった。
昨今、NPOセクターが沈没しているという批判をたびたび聞くことがある。先のような発想から脱皮して、より全体をみる視点、冷静に考察する姿勢をもたないと、この状態から脱出できないのではないだろうか。

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