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新年のご挨拶

2014年01月04日

明けましておめでとうございます。
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。

昨年は、大学の仕事、政府の仕事、そしてNPOの仕事に恵まれました。
政府の仕事では、評価の視点から行財政改革を学ぶことができました。大学の仕事では、やはり評価の視点から大学セクターや高等教育政策の動向を学びました。この2つの仕事を通じて感じたのは、いずれもが改革を求めながらも、ゴールが容易に見えていない状況にあることで、あたかも大海の中でさ迷っているような感覚に見舞われました。ピーター・ドラッカーやジョセフ・ナイが10年以上も前から、国家という統治の仕組みが大きな転換を迫られていると予期していましたが、何度かその言葉を噛みしめることがありました。
NPOの仕事として2つ挙げたいと思います。ひとつは、日本NPO学会の会長を通じての仕事です。この3年ほど、大きな補助金を頂いて東日本大震災にかかる民間支援の動向調査に着手していますが、現場の視点を大切に、誠実に調査をすることの難しさを痛感しました。そのことを忍耐強く教え、支えてくれたのは現場の仕事に着手する人々でした。
 そして、もうひとは、「エクセレントNPO」に関するものです。私が理事を務める言論NPOを拠点に、毎日新聞との共催による「第2回エクセレントNPO大賞」の表彰式を無事に開催することができましたが、社会課題の解決に懸命に尽くす方々から“まっすぐ”な感動をもらいました。
しかし「エクセレントNPO」が教えてくれたのはそれだけに留まりませんでした。この基準は「市民性」「社会変革性」「組織力」の3領域からできています。複数の方々から、この基準は「大学の見直しに必要な視点」「日本の政府をこの視点で評価する必要がないか」という意見を頂きました。また、企業の社会性を審査する機会を頂きましたが、その際、参考にしたのが「エクセレントNPO基準」でしたが、企業の社会性を育む社員の姿を映し出すという点で有効だったと思います。こうした一連の出来事から、「エクセレントNPO」基準は、NPOの評価基準に留まらず、組織の営みの原点のようなものを教えているのではないかと思い始めています。

新年を迎え、人口動態などのデータを見直してみますと、この社会の将来についてあまりにも安易に捉えすぎていたのではないかと思い、自らの力のなさに茫然とすることがあります。しかし、だからこそ、たとえ、微力でも一時一時を大切に、原点を見失わずに未来のために力を尽くすことができたらと思います。どうか、今年もよろしくお願いいたします。

田中弥生

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