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東京五輪決定後の首相会見が意味すること

2013年09月08日

東京五輪2020が決定したIOC総会後の安倍首相の会見を聴いた。五輪決定の熱気から一気に現実に戻される記者質問だった。日本の記者からは消費税問題への質問が出された。首相「秋以降の状況をみて」と、無難にというか、いつも通りに回答した。
しかし、より印象的だったのは海外の記者からの質問だった。南米の記者の質問は、G20での習近平国家主席と安倍首相のあいさつに言及し、領土問題など両国間の関係に関するものだった。その質問から、遠く南米のメディアの間でさえ、日中関係、日韓関係が冷え切っていることが知れ渡っていることがわかった。また、同じく海外の記者から福島の汚染水問題について質問が出た。安倍首相は「under control」と何度も述べているが、相次ぐ問題の浮上に、汚染数関連ニュースを身近で見ている私たち日本人でさえ納得ゆかなぬ不十分なものだ。

だが、最も考えさせられたのは、我が身を振り返りはっとさせられた瞬間であったことだ。私は、これらの問題に鈍感になりつつあったのではないか。必要以上に楽観視していなかったか。当事者であるがゆえに問題を客観視できないところがなかったか。東京五輪決定は、こうした問題を相対化してみる機会を与えてくれたのだろう。

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