ブログ

W杯 フットボールの戒め

2014年06月17日

 巷は、サッカー・ワールド杯(W杯)のニュース、看板などで盛りあがり、W杯色に染まっていると言っても過言ではない。
 地上波は、試合を放映する局のみならず、ほぼ全局がトップニュース扱いで取り上げている。それも、朝、昼、夕方、夜のあらゆる時間帯で取り上げている。駅や空港、車内にもブルーのユニホームが大画面で写されている。

 日本は他国と比較すれば、決して、サッカー大国ではない。だから、サッカーを伝統スポーツとする国ではさぞかし盛り上がっているのだろうと思っていた。

 そんな折、W杯開催の時期に、サッカーの母国、英国に出張した。きっと空港にはイングランドの旗と選手の写真で敷き詰められているのだろうと思っていた。ところが、空港に着くとそんな看板は見当たらない。英国鉄道に乗るためにユーストン駅に行ったが、そこで目についたのは、猫が大写しになったオーディオメーカーの看板だった。駅内のテレビでサッカーの試合を中継しているということもない。
 ロンドン市内から急行で1時間ほと行ったコヴェントリー駅に到着した。噂によると、ここには有名なサッカーチームがあるらしい。しかし、W杯の看板などどこにも見当たらないのだ。タクシーで目的地の大学に向かう途中、時々、イングランドの旗が軒先の窓に飾ってあるのを目にした。ただ、それがW杯のためだったのかどうかはよくわからない。
 気になって、テレビをつけてみるが、日本のようにどこの局もワールドサッカーを扱っているようなことはなく、サッカーのニュースを探すのが大変なほどだった。

 夕食の時に、隣の英国人に「ワールドサッカーは話題になっていないの?」と聞いた。すると、
「イギリスではそんな言い方はしないのよ。フットボールよ。」と言われてしまった。ワールドサッカーは開催されているのは認識しているが、猫も杓子も騒ぐということはないそうだ。
 「イギリスではフットボールというのよ」という言葉が、俄かサッカーファンを装った私を戒めているようで、いごこちが悪かった。

ページTOPへ▲